わたしが山椒の魅力にとりつかれたのは、
和歌山有田の道の駅で買ったぶどう山椒に出会ったからと言っても過言ではないと思う。
これまで、食卓でみていたちょっと茶色っぽい粉山椒の印象をガラッと変えた
きれいなグリーンのぶどう山椒の粉山椒。
はじめて香りをかいだ時の衝撃がすさまじかった!
なになに?このさわやか過ぎる香りはーー!!
と、目がクラクラしました。それぐらい鮮烈な印象だったんです。
それ以来、粉山椒買うならぜったいぶどう山椒のやつ、と決めてます。
山椒には兵庫の朝倉山椒や岐阜の高原山椒などいくつかの種類がありますが、和歌山県は日本一の生産量を誇る山椒の産地で、そこで栽培されている品種は、大粒の実が連なってぶどうの房のようになる特徴から、「ぶどう山椒」と呼ばれているそうです。
今回ご縁あって、有田川町清水地域でぶどう山椒の農家さんを営まれている柏木商店さんと出会うことができたとき、心が踊りました♪
山椒の栽培について、柏木さんからいろいろ教えてもらうことができました。
まず、山椒の寿命。
人と同じように、木も年を重ねて弱ります。
果樹など、実をつける植物は、一層それを感じます。
人もそうですが、命を生みだし育てるのって、ものすごくエネルギーのいることだと思うから。
そんな山椒の木の寿命は、20~30年。思ったより短いんだなぁ、、と感じました。
だから余計に大切な恵みをいただいてることを忘れちゃいけないな、と思いました。
ありがとう、山椒の木。
そしてそのお世話に1年中奔走される、山椒農家さんには感謝しかない。
山椒の木の1年はこんなかんじ。
11~2月:草刈りや木の剪定。
3月:肥料をあげて、木の消毒をする。
4月:オスの木に花山椒がなる。この時期の木の芽は柔らかく上質。→ちょうど筍が出回るころですね~!
5月下旬(5/20頃)から:実山椒(生)の収穫。中の実が白くて柔らかい。収穫できるのは約1週間。
6月下旬から7月末頃まで:乾燥山椒の収穫。
9月:赤山椒(完熟)の収穫。 ←これはなかなか出回らないので、かなり希少!!
今年の5月、ちょうど実山椒をこれから収穫するよーっていう頃、
わたしたちも柏木さんの畑にお邪魔しました。
その日はあいにくの雨模様で、傘を持ちながらカメラを濡らしながらカズミさんが写真を撮ってくれたり、山のお話しや山椒のことを聞かせてもらったり。
元々段々畑になっていたその場所は、その昔田んぼになっていて稲作をされていたそうな。
なかなか急な斜面の獣道を下ったり登ったりしながら、手を伸ばして山椒の実を収穫をしていく。
これはなかなか骨の折れる大変な作業だなぁと、ますます手にする山椒の実のありがたさを感じました。
山椒の木、トゲトゲが鋭いのはオスの木で、シュッと縦に伸びる木のカタチ。ちょっと油断してると服が引っかかったり、指に刺さったり、これは切り傷が絶えないのでは、、、と思ったほどw
かたやメスの木の枝は横に手を広げるようなカタチで、なんかまったく違う雰囲気だから
素人のわたしが見てもわかるくらいで、おもしろかったなぁ。
この葉っぱが、よく目にする ”ザ・木の芽” って感じで、少し触れただけでもとっても良い香りだった。
ぶどう山椒の特徴は、生の状態だとふっくらと肉厚で大粒、ピリリとした辛みだけじゃなくさわやかな香りが群を抜いてる。
そのあとに残るビリビリとくるしびれが、わたしはたまらなく大好きなのです。
ビリビリするほど、山椒食べてるわ~!って感じがするので、敢えて下茹で後に水でさらす時、辛みを抜きすぎないようにするのがお気に入り。
和山椒は、海外ではジャパニーズペッパーとも言われて独特の香りとしびれと辛みが重宝されているらしい。 中国で有名な花椒も好きだけど、ぶどう山椒にしかないこの味をたくさんの人に伝えたい。
ぶどう山椒をつかったお料理や調味料について、今いろいろと考え中です。
せっかくなら、和歌山の海のもの、里のもの、山のものとか特産のものとコラボできたら楽しいだろうな~と、一人でニヤニヤしてます。